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分野・領域などを問わず、何でも綴る雑記帳

ペーパレスの効果とは。

■はじめに

エンジニアの皆さんは、打ち合わせで紙を配っていますか?納品時に紙資料を納めていますか? ベンダに発注する企業の情シスさんは、打ち合わせや納品に紙資料を要求しますか?

紙の資料って良いですよね。視認性が高いし、メモを資料に直接書き込めますし。 とは言え、打ち合わせ資料なんかは最終的にはスペースの問題もあり必要に応じてスキャンしてデータして廃棄となりますよね。

最悪なのは、打ち合わせが終わったら速攻で廃棄される資料。それくらいの扱いしかされないのに、打ち合わせの主催者や関係者は必死に時間(工数)を割いて資料準備に勤しみます。 状況によっては残業してまでやることも。本当は早く帰りたいという人も多いだろうに。。。(生活残業の人は居ないことを前提としています)

巷ではペーパレス会議を推奨する声や働き方変革なんて言葉もよく聞こえてきていますよね。 先日から残業時間の制約で、より効率化と収益UPを両立は難しくなってきているのではないでしょうか。

ということでペーパレス会議を3ヶ月ほど実施したら、どれくらいコストカットできるのかを試算してみました。 ついでに納品物もペーパレスにした場合も試算してみました。 色々な数字が高すぎる等のご意見もあろうかと思いますが、あくまで想定としてご覧下さい。 そして、よろしければペーパレス推進を上層部に数字でアプローチするヒントにしていただければ幸いです。 もう試算したけど、詰めが甘いっ!というご意見もお待ちしております。

では、いきます!

■ペーパレス会議編

前提

試算するにあたり、前提を以下のようにしました。特に金額のあたりは所属される会社等により左右されるので、本記事を参考に試算される場合は置き換えて下さい。 特に印刷時の物的コストは、複合機のリース契約等でも左右されます。私はリース契約には関与していない為、妥当な数字に置き換えをオススメいたします。

  • 週1回程の打ち合わせで、参加者は7名程度
  • 準備は原則主催者
  • 印刷する資料は、A4で両面2UPと1UPを組み合わせた30枚程度の資料
  • 印刷時の紙代は、トナー代込で500枚で700円とする
  • 印刷者は時給2,000円程度で稼働する想定とする
  • 印刷時の体裁修正や再印刷、資料配布のための準備(資料を一式にして運搬する等)は1.5時間/回を費やした想定とする

紙資料を準備した場合の費用

  • 物的費用

    1. 1回あたりの枚数 → 30(枚)*7(名)=210枚/回
    2. 3ヶ月の総枚数 → 210(枚)3(ヶ月)4(週間/月)=2,520枚 ※2,500枚として試算します。
    3. 印刷時の紙代 → 2,500(枚)/500(枚)*700(円)=3,500円
  • 人件費

    1. 資料作成時間 → 試算対象外(打ち合わせがアレば作成するので)
    2. 資料印刷時間 → 1.5(時間)2,000(円/時間)3(ヶ月)*4(週間/月)=36,000円
  • 総費用
    3,500円(物的費用)+36,000円(人件費)=39,500円

ということで、約13,000円/月 程度のコストカットができた事になりました。 実際には電気代とか詳細な計算には材料が幾つかありそうですが。

1つの打ち合わせだけでこの程度ですので、他のプロジェクトや社内会議で同僚も同様の動きをした場合 恐ろしい数字が計上されることもあり得るのではないでしょうか。 特に上層部の方は、紙資料を準備させない方針をトップダウンで指示して欲しいものです。

■納品物編

では、続いて納品物として設計資料を印刷して納品した場合とデータ納品時の試算です。

前提

前段と同様、前提条件を以下のようにしました。

  • 納品ドキュメントは、A4両面1UPで1,000枚程度の資料(キングファイル1冊分)
  • 中表紙の準備を含め、印刷までは各担当者が実施
  • 表表紙や全ドキュメントの見出しは、プロマネが作成する
  • データ納品については、中表紙不要でフォルダ分けしたデータを格納したCD-Rにラベルを印刷する
  • 納品CD-Rに格納するドキュメントは、合計600MB以下となる想定とする
  • 納品CD-Rの作成は、プロマネが実施
  • ファイリングは、プロマネor担当分野のリーダーが実施
  • ファイリングされたものは、プロマネが営業に渡してミッション終了とする
  • 印刷時の体裁不備の修正を含め、担当者が2日間(16時間)・プロマネが半日(4時間)費やした想定とする
  • 納品CD-R作成は、ラベル印刷を含め1時間費やした想定とする
  • 再印刷は全ドキュメントの20%発生するものとする。→1,200枚程度の資料を印刷することになる
  • 各担当者は時給1,500円程度で稼働する想定とする
  • プロマネは時給2,000円程度で稼働する想定とする
  • 印刷時の紙代は、トナー代込で500枚で700円とする
  • データ納品用CD-Rは、ラベル印刷時のインク代・ケース代込みで1枚100円とする

紙資料で納品する場合

  • 物的費用
    印刷時の紙代 → 1,200(枚)/500(枚)*700(円)=1,680円
  • 人件費
    1. 担当者の資料印刷時間 → 16(時間)*1,500(円/時間)=24,000円
    2. プロマネの資料準備時間 → 4(時間)*2,000(円/時間)=8,000円
    3. 人件費合計 → 24,000円+8,000円=32,000円
  • 総費用
    1,680円(物的費用)+32,000円(人件費)=33,680円

データを納品する場合

  • 物的費用
    納品CD-R代 700円
  • 人件費
    2,000(円/時間)*1(時間)=2,000円
  • 総費用
    700円(物的費用)+2,000円(人件費)=2,700円

ということで、データ納品にすると約30,000円程のコストカットが実現できました。 紙資料で納品時にデータも納品する場合、約34,000円程度のコストカットとなります。 同規模のプロジェクトが他にも同時進行していた場合、見逃せない数字になるのではないでしょうか。

■最後に

もちろんペーパレスしなきゃ全否定みたいな事は言いません。 とは言え温暖化云々も叫ばれる世の中ですので、後世のためにも企業の収益性を少しでも改善するためにも ペーパレスでやりくりすることを検討してはいかがでしょうか。




おまけ

完全に余談です。冒頭の書類をスキャンする時、複合機を使った際のお話。 色分けしてメモを取っている都合でカラースキャンしたところ、X社では満足のできるPDFが生成されたのですがC社ではちょっと粗さが目立つ結果に。 最新機種では結果が逆転することもあるかもしれませんが、他社にも情報共有することを考えると綺麗さも大切ですよね。 もし複合機の選定に関わる方は、印刷精度やコスト以外にもスキャン時の精度にも配慮されると良いと思います。