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分野・領域などを問わず、何でも綴る雑記帳

アプリ屋さんとインフラ屋さんは不可侵なのか

平成28年熊本地震を受け、LINEが「LINE Out」を無料化し物議を醸すことになった。
どうも楽天の「Viber Out」も無料化していたらしい。

LINEがやり玉に挙がったのは、ユーザ数の多さからくるインフラへのインパクトの大きさからだろう。

所謂「善意が裏目に出た」結果になったのだが、インフラSE目線ではどう写ったのかを考えてみた。

役割の違い

  • インフラ屋さんのお仕事とは

所謂プログラミングはやらないSEさん。
アプリ屋さんが作った様々なコンテンツやサービスを提供するため、土台(インフラ)を作るひとたちです。
土台はサーバとネットワークがあり、サーバがコンテンツやサービスを提供する元・ネットワークはそれをユーザと繋ぐ。
サーバというビルを立てて、ビルと人を繋ぐネットワークという道を作る人達ってとこでしょうか。

  • アプリ屋さんのお仕事とは

アプリ屋さんは、様々なツールを作って・使ってコンテンツやサービスを提供してくれます。
サーバで様々な処理をさせるためプログラミングをしたり、画像等のデザインをしたりします。
ビルと人の例えで言えば、ビルに入居する会社とかお店といったところでしょうか。

厳密にはコンテンツ屋さんは別枠にすべきかも知れませんが、ここでは非インフラ枠に入れました。

LINEはどっちなのか

LINEで働いたことも無ければ知り合いがいるわけではないですが、会社の性質から圧倒的にアプリ屋さん主体であることは想像に難くない。
少なくとも日本法人では、その色が強い。

結局、不可侵なのか

インフラ屋さん目線で見ると、不可侵というのが現実だだろう。
少なくとも明確に役割が分かれる線引があることで、うまく分担をしていると言ってもいい。
もちろん自称・他称「両方できる人」も存在するし、それを売りにしている人もいます。
が、どっちもやるとパンクしかねない。
というわけで、役割分担という点から現場レベルの目線では不可侵が妥当だろう。

相互の問題点とは何か

良く耳にするのは、アプリ屋さんはインフラ技術を知らない・知識がないという声。

  • 機能検証なら仮想環境を使えばいいのに、「物理環境でやらないと意味が無い」

とか

  • ネットワーク(L2〜L4)の話をしても、理解してもらえない

と言ったもの。
逆の視点で見ると、インフラ屋さんはプログラミングをやったことがないこともあり

  • アプリ屋さんの言葉が呪文

なんて言葉も聞きます。

結局のところ、お互いの領域を知らなさすぎる・理解していなさすぎることが問題という事になります。

最後に

今回のLINEの件は、LINE自身もインフラ寄りの考慮が不足していたことを認めています。
考慮できないわけではないでしょうし、人材が居ないわけではないでしょう。
とは言え、いつものフィールドではない部分を緊急対応で正しく判断し実行するのは指南の技。

会社としての判断は善意という意味では正解でしたが、その他への影響の考慮という意味では不正解だった。

既に起こってしまったことを、後から外野があれこれ言うのは簡単です。
多くのメディアが批判して終わり。それを今後どうしていこうかということを書かない。
それが残念でなりません。

LINEに限らずIT業界に身をおくエンジニアは、今後も大変な思いをするでしょう。
今回のことを良い経験・糧として同じことを繰り返さず、皆がHappyになる方策をバシバシ出していけるようになると良いですね。

LINEで是非「なぜなぜ」をやって結果を公表してくれたらIT業界には有益なんだろうなとも思いますが、やっていたとしても難しいでしょうね。
くれぐれも「なぜなぜ」が「犯人探し」や「実行者・判断者を攻める場」にならないことを祈ります。
犯人探しなんてやっても何も生まれませんしね。